ハーバード・メディカルスクールの教授であり、医師であるサンジブ・チョプラ氏の著書。
世の中にはさまざまな健康法が飛び交っている。
ネット、テレビ、雑誌など次々に新しい健康法が紹介されては消えていく。
健康法にもトレンドがあり、大きく話題になるものとそうでないものがある。
その中には「これは実際どうなのかな?」と疑問を持ってしまうものもある。
世にある多くの健康法には信頼性の高いものとそうでないものがあるのだ。
この本で著者は決定的な科学的証拠がそろっているものを「ビッグファイブ」と呼び、その効果の根拠を紹介している。
「ビッグファイブ」すなわち、コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想。
この本を手に取って「ビッグファイブ」を目にしたとき、自分の中の常識とかけ離れたものが含まれているのに驚いた。
「コーヒー」って、飲みすぎると健康に悪いんじゃなかったっけ?
「ビタミンD」って、骨の元でしょ?、他に何の効果があるっていうのかな?
「ナッツ」は、栄養価は高いけどカロリーも高いから良くないよね。太るから。
という感じ。
私たちの健康の常識を圧倒的な科学的証拠をもとにして書き換えてくれる一冊です。
「コーヒーは体に悪い」という誤解
「コーヒーは体に悪い」というのが誤解だと言うエビデンスが山のようにあり、毎日のように新しい研究成果の強がっているのに、信じようとしないのだ。
私も以前までコーヒーは体に悪いと思っていた。
最近はテレビの健康を扱った番組や書籍などで、コーヒーが体にいいと言うことが、世の中に発信されるようになってきた。
そういったことを目にするようになって、コーヒーに対するイメージが変わってきた矢先に、この本を読んで「やっぱりコーヒーは体にいいんだなぁ」と確信を持つことができた。
コーヒーには肝硬変を始め、2型糖尿病、心臓疾患、パーキンソン病、認知低下と認知症、胆石、虫歯、一般的ながん(前立腺がん、結腸がん、子宮内膜癌、皮膚癌など)を予防するなど様々な効果があると考えられている。
幸運にもこの中に私に関係ありそうな病気はないが、がんの予防になると言うのはとても心強い。
もともと私はコーヒーをあまり飲む方ではないが、こんなに体に良いのならば今後は積極的に飲むようにしようと思う。
コーヒーをたくさん飲む人は長生きする
コーヒーをたくさん飲む人は、(ほとんど(または全く)飲まない人に比べて長生きする。
コーヒーの種類に関係なく、たくさん飲めば効果があるのは明らかだ。
ほとんどの健康的な成人にとって「4杯」は安全。
私はコーヒーの種類に関して全く詳しくないのだが、種類に関係なくたくさん飲めば効果があるらしい。
特定の銘柄でないとダメと言うことだと、コーヒー素人には一気にハードルが上がってしまうので助かった。
健康な大人にとって一日4杯は安全と言うことであるが、私には4杯はとても飲めない。
せいぜい2杯といったところかな。
砂糖などを入れすぎると糖分を摂りすぎてしまうので、できるだけブラックで飲むようにしたいと思う。
ビタミンDは体内のほぼ全ての組織に影響を及ぼす
ビタミンDはどんな人にも必要で多くの人が食事で取れる以上の量を必要としている。
ビタミンDには風邪から心臓疾患までの様々な疾患の予防効果があるとも考えられている。
ビタミンDには細胞の成長と発達、免疫機能、代謝調節を司る遺伝子を制御する働きもあるようだ。つまり、ビタミンDは体内のほぼ全ての組織に影響を及ぼすとも言える。
ビタミンDがいちばん身近な病気である風邪の予防効果があるとは驚きだ。
風邪に良いのはビタミンCだと思っていた。
もちろんビタミンCも効果があるのだろうが、ビタミンDは普段の生活で全く意識していなかった。完全にノーマーク状態。
減塩よりも「血圧」を下げる効果が大きい
低いビタミンD濃度が高血圧に直接関連していることが示された。
実際他の研究でも、減塩よりもビタミンDを補充する方が、血圧を下げる効果が大きい事が示されている。
血圧を下げるにはとにかく減塩すること。
これは一般的によく知られていることであるが、ビタミンDの方が血圧を下げる効果が大きいと言うのも初めて知った。
ていうか、ほとんどの人は知らないと思う。
私は血圧が高い方なので、普段から塩分の取りすぎには注意を払っているのだが、それ以上にビタミンDについて意識することが大切なようだ。
本当にこれは良いことを知った。
風邪やインフルエンザに「予防接種」以上の効果
「風邪やインフルエンザの予防にはビタミンCが1番」と言うのが数十年前からの通説だが、「太陽のビタミン」(ビタミンD)の方が予防効果が高いことを強く示唆する研究成果が相次いでいるのだ。
風邪だけではなくインフルエンザの予防にも効果がある。
インフルエンザの予防接種以上の効果があるというのはすごい!
ご承知のとおり、インフルエンザの予防接種をしたからと言って絶対にインフルエンザにかからないと言う事はない。
予防接種をしてもインフルエンザにかかってしまうこともある。
私は毎年インフルエンザの予防接種をしているのだが、数年前インフルエンザにかかってしまったことがある。
今年もワクチンをうつつもりだが、これからはビタミンDの効果も利用してインフルエンザの予防をしていこうと思う。
「日焼け止め」はビタミンD生成を妨げる
ビタミンDは、日差しを浴びながら散歩するという、ごく簡単な方法で得られるのに、なぜ不足している人がこんなに多いのだろう?
日焼け止めは日焼けを防ぐだけでなく、ビタミンDの生成に必要な紫外線の吸収も妨げるのだ。
ビタミンDは皮膚に紫外線が当たることによって生成される。紫外線を浴びれば、自分の体内でビタミンDを作り出すことができるのだ。
太陽の光を浴びるだけで、これだけの効果を得ることができる。素晴らしい!!
日光は誰でもタダで浴びることができるのだから。
しかし日焼け止めを塗ってしまうと、紫外線の効果がなくなってしまう。
つまり日焼け止めを塗っていると皮膚でビタミンDを作り出すことができないのだ。
これは困ったことだ。私は日焼けしやすいタイプで、すぐ皮膚が赤くなってしまう。
なので、長時間外出する時は必ず日焼け止めを塗るようにしている。
しかしこの日焼け止めが原因で、ビタミンDを体内で作り出すことができないとは…
ビタミンDは生成したいけど、日焼けはしたくない。
20分から30分間、太陽の光に当たれば良い
最近では温暖な地域の人は、夏は20分間、普通なら30分間、日焼け止めを塗らずに屋外で過ごすこと、色黒肌の人はこれに10分ずつ上乗せした時間を過ごすことが推奨されている。
20分から30分間日焼け止めを塗らずに太陽の光に当たれば良いと言う事ならば、長時間外出する時だけ日焼け止めを塗るようにすればいい。
短時間ならば日焼け止めを塗らずに紫外線を直接浴びれば良い。20分から30分間なら、日焼け止めを塗らなくても大丈夫だ。(私の場合は)
「ナッツ」は殻以外ほとんど無駄がない
ナッツにはタンパク質、脂肪、天然の植物性オメガ3系多価不飽和脂肪酸、植物性栄養素、ビタミンCやEなどの抗酸化物質、セレン、マグネシウムなどの栄養素が含まれている。
中略
しかしナッツを常食することで得られる多くの健康効果は、最近になってようやく注目を集め始めた。
ナッツがこれほどまでに健康に良いとは思いもしなかった。
食べ過ぎるとよくないとさえ思っていた。
しかもスーパーで売っている大体のナッツ類には塩が振ってある。
これではナッツ類を食べると言う事は、塩分も摂取してしまうということになってしまう。
個人的にはナッツは嫌いではないのだが、食べ過ぎるとよくないと思っていた事と、塩分を摂りすぎてしまうと言うことで敬遠してきた。
しかし最近はスーパーやコンビニで、「食塩不使用」の表記があるナッツ類を見かける事が増えてきた。
これもナッツ類が注目され始め、「塩分は取りたくないがナッツは食べたい」と言う需要が増えてきたからなのだろうか。
これはとても歓迎すべきことで、塩分不使用のナッツを毎日食べるようにしたい。
ナッツは健康に悪いと考えられていた。
ナッツは脂肪分が多いために、アメリカでは健康に悪いと考えられていた。だが研究で証明されているように、ナッツに含まれる脂質は体にとても良いのだ。
アメリカのみならず、日本でも同様だったと思う。少なくても「ナッツは体に良いのでどんどん食べましょう」などと言うセリフは聞いたことなかった。
ナッツは減量や体重維持に役立つ
ナッツを日常の食事に取り入れると、いろいろな健康効果が期待できる。心臓疾患やがんになるリスクを減らす、コレステロールや血圧を下げる、男性の生殖機能を高める、などのほか、太ると言う通説とは逆に痩せる効果もある。ナッツに関する最も意外な発見と言えばもちろん、減量や体重維持に役立つというものだろう。
ナッツの食べ過ぎは太ると言うのが、長年の通説だった。
中略
実際、カロリーが高く太りそうだからと言う理由で、ナッツの常食を避ける人も多い。
だがうれしいことに今では多くの研究が、ナッツのせいで体重が増える事はほとんどないとしている。
ナッツを食べ過ぎると太ってしまうと言う心配も無用だということがわかった。
コレステロールを下げる働きがある上、体重が増える事はほとんどないと言う研究結果があるのだから、大いにナッツを利用したい。
毎日積極的に食べようと思う。
まとめ:ハーバード医学教授が教える 健康の正解
これまで健康については自分なりにアンテナを張り知識をつけてきたつもりでいたけど、この「健康の正解」を読んでその知識がひっくり返されてしまった。
この本で紹介されている「ビッグファイブ」、コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想。
「運動」については健康にいいことは理解していたが、「瞑想」については最近興味を持ち始めたところだった。
「コーヒー」と「ナッツ」についてはあまり肯定的にはとらえてなかったので、自分が持っている常識とはほぼ反対の内容だった。
「ビタミンD」に関しては完全にノーマークで、それほど重要とは考えてもみなかった。
これからはこの本で学んだ「ビッグファイブ」を健康のために大いに活用していこうと思う。
本書で紹介されている「ビッグファイブ」を活用するのにお金はほとんどかからないので、健康について気になるかたはぜひ手に取ってみてほしい。
では。
この本の超まとめ
コーヒーを飲み、正常範囲内で高めのビタミンD濃度を保ち、定期的に運動し、一日数分瞑想し、ひとつかみのナッツを食べる習慣が体にとても良い。 |